「雨には消炎作用があると思う」
昔読んだ江國香織さんのエッセイ中の一文です。
確かにそうかもしれないと私が納得した文章でした。
現在私が住んでいるところは雨が降っています。
家事もひと段落して、ふっとその「消炎効果」のせいか落ち着いた気分でいるので思ったことを書きます。
最近家族みんながそれぞれ問題や多忙なことを抱えていて、余裕がない感じ。
夫とも平日の会話が激減しています。
そんな夫とも最初の頃は盛り上がっていたわけで。
しかも遠距離恋愛だったもので。
ちょっと脱線しますが
さっき平松愛理さんの「あなたのいない休日」(1994年発売)という曲を聴きながら昔のことを思い出しました。
彼氏が遠距離で他の女を連れ込んでいると思われる状況で。
いじらしく、余裕ありげに、でも「私」は「愛している 許したげる 帰ってきて」と、最後の本音をもらす。
私だったら
「そんな男、捨ててしまえー」とか思うわけです。
遠距離で心が離れてしまった男は、戻ってこないよねと。
彼は遠くの心繋げたはずの「彼女」より、現地の触れられる女を選んだわけだから。
「遠くの親戚より近くの他人」とは違うけど、要は距離にはかなわないかと。
その彼を一方的にも責められない。
誰だって寂しくなることがある。
彼は距離に耐えられなかっただけなんだから。
「私」とは合わない人だったんでしょう。
次の人に行った方が建設的です。多分このまま付き合っても今後同じようなことをする可能性が高いです。
まあ、一区切りをつけるのは大変ですが・・・。
「時間」が良い薬になってくれると思うので。
さて、話を戻します。
私の遠距離恋愛は2年半くらい続きました。
福岡⇔北海道なもので。なかなか会えない。
他愛なく電話やメールで繋がっていましたが、やっぱり日曜日の夕方とかすごく寂しくなるのです。
どうやって乗り切ってきたか。
それは「どれだけマメに行動出来るか」だと思いました。
夫は月イチで会うという旅行計画を立てていたようでした。
長期休みに向けてのホテルや航空券の予約も早々に手配しているマメさでした。
それから
「(離れても)心変わりは、しません」と宣言した彼の言葉。
私にとって、まるでお守りのような言葉でした。
それを大事に生活続けていましたから。
月イチで飛行機で飛ぶのが恒例。
東京や大阪の空港で集合して一緒に現地で遊んでいました。
彼の方は飛行機のマイレージがずいぶん貯まりナントカ会員とかになってました。
(優先搭乗とか出来るあれです)
結局、それらの行動はすべてお互いに「信頼」「安心」に繋がりました。
彼は遠距離恋愛というお付き合いの中で、出来るだけ努力して私の不安や寂しさを取り除いてくれた。
結婚を決めた理由。
「彼と一緒にいたら普通に暮らせるだろうという、信頼と安心感があるから」
それが理由です。
金遣いは堅実な「安心」と、浮気とかしない「信頼」とか。
そういう強固な地盤を築いていけそうだと思ったから。
それが他人と生活をともにしていく「結婚」というものなのかと。
結婚生活に波乱万丈とかエキサイティングなんて言葉は不要。
あと数年で結婚20年です。
今月は結婚記念日です。
なので、その頃の思いを忘れないために今回の記事を書きました。
結婚生活は子供も生まれて、すとんと落ち着いたものになりましたが。
「信頼」と「安心感」は現在も健在です。
江國香織さんの新婚時代のキラキラとダークな部分が詰め合わせになったエッセイ。
結婚生活に疲れた時に読み返すお気に入り。よかったら図書館ででも借りてみてください。